ゲーム「なわとびずんずん」公開+Akashic Engineでマルチゲームを開発するときの注意点

ニコ生でしかプレイできないのですが、結構楽しいゲームになったとおもいます。
みんな貼って、やってみてくれ!

さっそくゲームプレイ!(別窓)

ということでこちらの記事ではおまけとして、動画とかで入りきらなかった分とか、
マルチゲームの話を書いていこうとおもいます。後のためにね。

■今回「なわとび」というジャンルを選択した理由
結論としてはこのあたり。
・初見で誰にでもわかるルールだから
・なわとびというジャンルがニコ生ゲームになかったから

2作目のセイカさんのゲームを作ってから、ニコ生ゲームの特性をちゃんと調査しようと思って、
ニコ生ゲームをよく貼っている放送を覗いて調査しました。
その結果、ニコ生ゲームでよく遊ばれているものには次の傾向がみられました。
・(作者)公式が提供・押しているゲーム
・(作者)ニコ生ゲーム初期に誕生したゲーム、またはそれから派生したもの
・(ジャンル)マルチゲーム全般
・(ジャンル)トランプ、四川省、パズル、RPG風、野球
・(属性)運要素の強いゲーム
・(属性)短い時間で終わるゲーム
・(属性)単純なゲーム

簡単にまとめると、ニコ生で選ばれるゲームというのは、懐古的なものであり、ライトなゲームが強いって話です。
昔からみんなで遊んできたから、また同じものをやる!みたいな流れが強い感じ。
まあ初期に誕生したものが強いっていうのは、当たり前の話ではありますが…
新規ゲームの受け口はかなり狭いと感じました。
属性としては単純なゲームが強かったです。プレイヤーはとにかく説明文を読まない!
なので難しいゲーム・理解すれば楽しいスルメゲーみたいなものはあまり選ばれない感じです。
初見でプレイ方法がわからないと二度と貼ってもらえないレベル。
初見プレイで何かこころに引っかからないと、繰り返しプレイはないと思ったほうがいいですね…

ただし例外として、公式主催のコンテストで名を挙げたゲームは、その後プレイしてもらえることが多いです。知名度は重要。
なのでもし新人の方がゲームをつくるのならば、コンテスト開催のタイミングをぜひ狙いましょう!
入賞すればスルメゲーでも遊んでもらえる回数が増え、これおもろいじゃんということで貼ってもらえるようになるはずです。
あとこれも例外として、マルチゲームは貼られる確率が高い印象です。
一世代を気づいたVS魔導士シリーズは例外としても、ほかのマルチもよく遊ばれている気がします。

ということで今回は、以上を踏まえて「ルールを見なくても遊び方がわかる」「親しみがある・昔からある」「単純なゲーム」「マルチゲーム」という属性を持たせたゲームを作りました。

しかしこの条件に当てはまっていても、二番煎じではヒットは難しいでしょう。(公式のパクリ+アップデートゲームはヒットしたりしますけどね…)
ということでニコ生ゲーでまだ提供されていないゲームを探した結果、「なわとび」というジャンルになりました。
なわとびなら「ルールを見なくても遊び方がわかる」し、「親しみがある・昔からある」「単純なゲーム」です。ばっちりですね!
なわとびは公式からマルチゲームが提供されてはいますが、あまり面白くないのかほとんど遊ばれていません。
ユーザー提供のなわとびゲームも皆無でした。
皆無な理由は面白くないから、ということだと思いますが・・・それは作り方次第でどうにでもなると考えました。
現に、なわとびゲームとして面白いものが世にでてるじゃないですか!
昔のものではマリパ2のなわとびぴょんぴょん。今でいえばWii Partyとかでもなわとびはあります。
公式のなわとびゲームが流行っていないという所を考えて、マリパやWii Partyを参考に疑似3Dにしました。たぶんヒットの要件として3Dは必須な気がしました。疑似3D大変でしたけどね…
あとは私がかわいいのが好きなので、ビシバシスペシャル3なわとびで掛け声だして飛んでいるのをパクってきたりしました。かわいい。
まあ「かわいい」属性需要はない気がするんですが…「無機物」のほうがニコ生では人気があるんですよね。

ちなみに、私の1作目の「忖度ずんだもん」は「オリジナルルール」「パズル」の要素でした。自分の好きに作ったので需要は考えてません。ヒットしませんでした。
2作目の「おいでよ!セイカの広報活動」は「オリジナルルール」「かわいい」「ミニゲーム詰め合わせ」みたいな要素でした。これも外部コンテスト用に作ったもので、ニコ生需要は考えてませんでした。こちらもヒットせず。
3作目ではニコ生需要を加味して「桜を元にもどしましょう!」を作りました。
「オリジナルルール」「バカゲー」「単純」「しげたかもん」「コンテスト提出」っていう属性を付けました。
オリジナルルールではありますが単純ゲームであり、説明もパッと見てわかるように工夫しましたので、まだ出したばかりではありますが出だしのウケはよかったんじゃないかなとおもいますね。今後コンテストの結果次第では…って感じでしょうか。
結構ニコ生勢にしげたかもん知らない人がいて面をくらいましたが・・・まあたしかにニコニコインフォとか見ない人は見ないもんな。

■マルチゲーム制作が大変だった件
作るのはそれほど厳しくはなかったです。マルチを作るときのお約束はありますけどね?
・setTimeout系統は使用不可(ブラウザ非アクティブから戻ってきたときのスキップ処理時にずれてしまう)
・ランダム変数(g.game.random.generate()と、g.game.localRandom.generate())
・g.game.raiseEventとonupdateの取り扱いの難しさ

一番つらかったのは、やはり同期ズレ・処理落ちの問題です。
シングルゲームではこれらの問題は表ざたになってきませんでしたが、マルチだと重大問題になってきます。
ニコ生マルチは「全員の端末がホスト!」みたいな仕様でして、その性質上、どうしても同期ズレが起きてしまうみたい。解消はできなさそうでした。もうそういうものだと思ったほうがいいです…
だから作るのであれば「ずれても問題ない」「どこかのタイミングで同期を合わせるウェイトを入れる」というような作りにする必要があります。
なわとびは・・・ずっとなわが回っているので無理ですねw
一応ある程度「ずれても問題ない」ようには作っています。
もっと厳しく「放送者をホストにしてゲストには同じものを映す」みたいな方法も試してみましたが、放送者がブラウザを閉じちゃうとゲームが動かなくなっちゃうので断念しました…
それを仕様として許容できるなら、同期ズレ対策として一番効果がありそうでしたけど。

もう一つの処理落ちですが、マルチはシングルプレイよりも端末にかかる描画負荷が大きいみたいです。
マルチゲームには対戦系のジャンルが多いので、そういった描画負荷がシングルより目立ってしまうだけなのかもしれませんが…
こちらはFPSを落とすことで多少の対応はできるっぽいです。どこかで全くアニメしないフレームも作るとよさそうです。
今回のなわとびの場合は、FPSを落とすとなわが見えなくなってしまうので、できなかったです…

今回もラックさんの記事やらサンプルゲームを大いに参考にしたのですが、
ラックさんでもマルチのズレとかにてこずっているようでした。
https://nicorakku.hatenablog.com/entry/2021/10/20/192410

一応次に作るときの参考として…マルチ用の拡張機能があるようです。(なわとびずんずんを作った後に見つけたんですけど)
https://github.com/akashic-games/coe

ぱっと読んだ感じでは「ホストを1つつくって、そこから命令をとばす仕様に変更できる。通信量大幅減」という機能のようです。
通信量が減れば描画スピードとかも上がるはずなので、これをうまく使えれば、なわとびずんずんの処理落ちも改善できるかもしれません。

ただこれ、1から作ることになりそうなのと、解読に時間がかかりそうなこと、また本当に可能なのか(ホストがブラウザ閉じたら動かないのでは?)とか調査項目がたくさんあったので、今回はやめました。
次マルチ作るときがあれば、これを使ってみようとは思ってますけど。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。